※制作担当の方で文章修正しています。
前回「東京朝鮮高校伝説のコンビネーションブロー その1」の記事を紹介したが、今回はその応用編について紹介する。
このコンビネーションは昔私が、「ヨネクラジム松本トレーナー」から伝授してもらい、東京朝鮮高校ボクシング部の監督を務めた際に実践的に教えていたコンビネーションだ。
◆コンビネーション1(チョッポンチェ)
ワンツー 左フック 右ストレート 左アッパー 右ストレート
通常コンビネーションブローとは、相手が万全の状態で構えている時に行うのは危険で無理が有る。
強い左のストレート、ジャブをビシビシ決めて相手の顔が跳ね上がった瞬間を逃さずコンビネーションブローを打つのが理想である。言いかえれば「左はチャンスをつかむ為に打つ」のである。
後は相手が試合中に疲れたりパンチが効いたりしてひるんだ時、バランスを崩した瞬間、相手のサイドに回れた時に打つ。以上のチャンスの時に打つのである。
コンビネーション1を3回転(全18発)打つ。
正確なリズムとステップで両足にしっかりとバランス配分が出来てないと打てない。こう言う連打はスピードと手数のアマチュアボクシングの神髄であり、アマチュア経験のないプロの選手には中々打てない。3回転(全18発)打てばスタンディングダウンの取れる連打となる。
リーチの有る選手ならば、相手をロープに追い詰めたら自分の距離を生かしてそれ以上ステップインせずにその場でリズミカルなステップで打ち続ければ良い。
攻防一体!「コンビネーション1」応用方法8種
(強い左ストレート、ジャブ、 弱い左ストレート、ジャブを使い分けながら行う)全て相手のパンチをかわして打つ。
●右ストレート合わせ⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
(ワンツーの代わりに右ストレート合わせ)
右ストレート合わせとは左アゴの先端を左の胸につけながら右ストレートを打つ動作。相手のストレートに対して相打ちのタイミングで打つ。相手のストレートは自分の右肩の上を通る。パンチに向かって行く勇気が必要。
強い左ジャブで強引にくずして自分から打っても良い。
●右ストレートボディ合わせ⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
(ワンツーの代わりに右ストレートボディ合わせ)
強い左ジャブで強引にくずして自分から打っても良い。
右ストレートボディ合わせも上記同様だが、ボディを打つ分両膝を若干低く打つ。
右ストレートボディはみぞおち直撃かその上の両胸の中心の骨しかないところを狙う。
●左スリップ⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
(ワンツーの代わりに左スリップ)
●プレッシャーから左スリップ⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
※プレッシャーとは両手の構えをななめ上10㎝に拳を握って力強く押し出すと同時に前足を音が出るように踏み込む。
プレッシャー動作はカウンターを狙っている相手に行う事によって、カウンターを打たせてそれをかわして打つことになる。
プレッシャー動作はフェイントをかけて上体を移動してコンビネーションブローを打つ機敏な動きと言える。
プレッシャー動作は多用する事によって相手のノーモーションストレートの防御になる。
プレッシャー動作は相手をロープに詰めた時、どちらに回り込むかを瞬時に判断する役割を持つ。
プレッシャー動作はビビっている相手を更に精神的に追い込む役割を持つ。
プレッシャー動作は自分から仕掛ける時に使う。
●右ステップ⇒右ストレート⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
(ワンツーのワンの代わりに右ステップ)
右ステップは右足だけを20㎝横に踏み出すことによって相手のパンチの軌道から外れてよける動作。
まずは右ステップ右ストレートの単発動作を何度も練習しよう。絶対に右スリップを同時に行わない事。邪魔な動きになる。右足はななめ後ろではなく真横に踏み出す事。
自分から攻める時は、右ステップを斜め前(相手の左足の真横)に大きく踏み出す事で相手の真横に位置移動して横から一方的に攻める事が出来る。
●プレッシャーから右ステップ⇒右ストレート⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
※プレッシャーの説明は前記を確認
●左フックで回ってワンツー⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
左腕を通常の構えより外側に開き(相手の拳の外側)、相手が打って来た時左サイドステップと同時に左フックを打つ。サイドステップの際、左足の左側面に強い力を込めるとKOパンチになる。空振った場合相手の真横を向くことになり危険なので、すぐにもう1発左フックで回われるように準備しておく。
自分から行う場合はロングの左フックを引っかけるように回るとうまく行く。
●ステップイン+ブロックからワンツー⇒左フック⇒右ストレート⇒左アッパー⇒右ストレート
主に相手のワンツーをステップイン+ブロックで受けてコンビネーション1を打つ。
毎回1発~2発打とうとする選手と、毎回5発~6発打とうとする選手が試合をすればその手数の差は明らかで、コンビネーション1のバリエーションはチヤンスを作る為に打つ左の強いジャブ、ストレートと共に磨いて行けば実力向上間違い無し。パンチが当たらず空振りしても乱れずに続けられるようにシャドーとミットで磨く必要が有る。