小刻みに小さく上体を振る動作に対しては、捨てパンチも含めた連打を打てば当てられる可能性が高いが、大きくダイナミックに上体を振る相手には的を絞りにくい。ボビングと言う言葉は後者が相応しいと思う。
どっちつかずで小刻みに小さく頭をを振りながら相手の攻撃に対するカウンターを狙う時と言うのは、既にどっちによけて何を打つかを決めている時に当てはまる。例えば「今度打って来たら左スリップから左フック右ストレートを返そう」と決めて待っている時。仮にここで大きくダイナミックに上体を振っていて左スリップを大きくした時に相手が打って来たら、そこから更に左スリップから左フック右ストレートを打つのは難しい。どっちつかずで小刻みに小さく頭をを振りながら待つのが無難である。
逆に大きくダイナミックに上体を振るボビングで相手の攻撃に対する場合は、左の大きなスリップの後右の大きなスリップをして若干止めて待ちの時間を作り相手が打って来るように仕向けて、左スリップから左フック右ストレートを打つ。
又は均等な大きさの左スリップ右スリップ左スリップからいきなり左フック右ストレートを打つ。
相手が連打で攻めて来た時、又はパンチを受けて効いてしまった時にしっかりと両ガードを固めて大きく上体を左右に振りながら強打を返すのは、ボクシングでは最重要課題の一つです。
これが出来るか出来ないかが、未熟と熟練との境目だと断言できる。
練習でオフェンスもディフェンスも素晴らしい選手が、実戦でも打たれないでいるうちはやはりオフェンスもディフェンスも素晴らしいのだが、打たれると崩れて固まってしまったり打たれっぱなしになってしまう。
どうすればいいかと聞かれた時私は以下のように答える。
・とにかく悪あがきして切り抜けようと何度も頑張って慣れること。
・打たれてやばい、効いたと思ったら何をするかを常に何通りか決めておき、シャドー、マス、スパーで意識的に使い自分のものにする。
効果的に攻める時はもちろん、打たれた時や勢いよく攻められた時にこのボビングを以下のように身につけておこう。
●両ガードを固めて大きく左スリップから右スリップ左スリップから左フック右ストレート~大きく右スリップから左スリップ右ステップスリップから右ストレート左フック~大きく左スリップから右スリップ左スリップから左フック右ストレート~大きく右スリップから左スリップ右ステップスリップから右ストレート左フック
●両ガードを固めて左ウィービングから左フック右ストレート~右ウィービングから右ストレート左フック~左ウィービングから左フック右ストレート~右ウィービングから右ストレート左フック
●両ガードを固めて大きく左スリップから右スリップ左スリップ左フック(顔)左アッパー(腹)~大きく左スリップから右スリップ左スリップ左フック(顔)左アッパー(腹)~大きく左スリップから右スリップ左スリップ左フック(顔)左アッパー(腹)
●両ガードを固めて大きく右スリップから左スリップ右スリップ右アッパー(腹)左アッパー(腹)右フック(顔)~大きく右スリップから左スリップ右スリップ右アッパー(腹)左アッパー(腹)右フック(顔)~大きく右スリップから左スリップ右スリップ右アッパー(腹)左アッパー(腹)右フック(顔)