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チームトクボクシング教室の
自分を超えられる要素

 
高校3年の春、世界チャンピォンとスパーリングをした。

高校時代ヨネクラジムに通っていた私は当時、岡崎、宇野丸と言ったプロの6回戦、8回戦の選手とたまたま良いスパーリングをして実力を認められたのか、練習生の中では練習開始と終了に全員で行う体操を責任持って行う役割だった。

ある日、松本トレーナーに「二日後の昼1時に柴田とスパーリングしろ」と言われた。
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柴田国明さん。メキシコの英雄ビセンテ・サルディバルをメキシコで下しフェザー級チャンピォンとなり、Jライト級ではベン・ビラフロアーにハワイで判定勝ち。更にJライト級でアルレドンドを破って三度世界を取った天才と呼ばれた名王者。アルフレッド・エスカレラとの防衛戦を1ヶ月後に控えた円熟期。

その数日前に柴田さんのスパーリングを目の前で見た。岩本弘行さんとか当時の新人王クラスを相手に打たせてカウンターを取っていた。果敢に打ってくる相手のパンチを1発1発キャッチボールのようにブロックで受けてその受けた手でカウンターを見事に返す。隙を見て打つ左ストレートが残酷なほどに強くて早い。

今、昔の試合をビデオで見ても小刻みなスリップと鋭いショート連打、左のボディアッパーから顔へのフックの2段打ちは機械の様に精密で、神の領域と思える日本人離れしたボクシングだ。